当院では頭痛・肩こり外来を行っています。
なぜわざわざ「頭痛・肩こり外来」という形にしているかをお話します。
頭痛で病院にかかる人はわずか30%しかいません。
そして、頭痛があっても市販薬だけで済ませている人が約60%と言われています。
寝込むほどの頭痛があるケースでも、7割は医療機関に行かず放置されていることが多いのです。
せっかく治療薬が進歩しているにもかかわらず、症状の改善が認められない患者が依然として多いのが「頭痛」の現状なのです。
■慢性的な頭痛に悩まされているのは4000万人もいる!
日本で慢性頭痛を有する人は約 4000 万人と推定されています。
つまり、日本にいる3人に1人は頭痛に悩まされているということになります。
そのうちの多くを占めるのは、「緊張型頭痛」と「片頭痛」です。
緊張型頭痛とは、頭や首の筋肉が固くなることで血流が悪くなったり、神経が圧迫されることで起こる、いわゆる「普通の頭痛」です。
これも十分につらいのですが、より重要なのが、約840万人いると言われている「片頭痛」です。
片頭痛は緊張型頭痛よりも、とても苦痛が大きいのです。
立っていられないくらいの痛みや、吐き気、めまいをともなうこともあり、片頭痛患者の74%は「頭痛による生活支障度が高い」といわれています。
生活支障度が高いとは、寝込むレベルも含め、日々の生活に甚大な悪影響を与えているということです。
しかし、「片頭痛」の診断がしっかりついて、正しい治療が行われているケースは稀なのです。
片頭痛は、普通の頭痛と治療方針が全く異なるので、この2つの頭痛を見分けることはとても重要です。
■片頭痛か、緊張型頭痛か。それが問題だ。
患者さん自体が片頭痛であると正しく診断していることは稀だと言われています。
片頭痛は文字通り頭の「片側」に起こりやすい頭痛ですが、40%は左右の差がなく起こるので、あまり当てになりません(笑)
片頭痛の痛みは締め付けられるようなギューっとした痛みよりも、リズムをもった「拍動性」の痛みであることが多いです。
運動や入浴など血流が豊富になることで改善する場合は緊張型頭痛、悪化する場合は片頭痛だと言われています。
これは患者さんの実感としてわかりやすいかもしれません。
頭痛薬が効かない強烈な頭痛に毎日悩まされていた方が、当院の頭痛外来に来て「片頭痛」だとわかり、正しい治療薬と予防薬で「症状が劇的に改善した」と感謝していただいたことがあります。
実際に診療をしてみて、「頭痛くらいで病院にかかるのはなあ…」と思っている方の多さに驚いています。しかし、改善できる症状を放置して日々のつらい状態で活動するのはとてももったいないことだと思います。
頭痛にお悩みの方がいれば「頭痛くらいで」と思わずに、ぜひ一度かかってみてください。